『マリカ8DX』大ヒットは任天堂も想定外 今後の新作にも言及
任天堂が2017年に発売したNintendo Switchソフト『マリオカート8 デラックス』は、数ある任天堂ソフトの中でもトップクラスの売り上げを誇る人気タイトルだ。
2021年末時点での全世界累計販売本数は4335万本と、Wii U版からの移植作にも関わらずNintendo Switchソフトでは史上最高売上、同シリーズでも類を見ない販売本数を記録している。
今なお人気を誇る本作は2022年より、追加コンテンツとして『マリオカート8 デラックス コース追加パス』が配信開始された。歴代のコースから厳選された48コースが2023年末までに順次8コースずつ配信される。現時点で第4弾までがすでに配信され、7月12日には第5弾が配信開始となる見通しだ。
今回、日経新聞のインタビューで『マリオカート8 デラックス』の開発に携わった任天堂・矢吹光佑氏が本作の異例づくめな売れ行きにコメントを残した。(以下引用)
想定外の売れ行きにプロデューサーも驚嘆
ーー販売本数が4000万本を超える歴史的なヒット作になると予想していましたか。
「予想していなかった。結果論で言うと、スイッチと8DXの相性が良かったのではないか。どこでも持ち運べるしコントローラーを2つに分けられるので、兄弟や友達が近くにいたら『一緒に遊ばない?』と誘いやすい。発売から5年たっても色あせない魅力になっている」
――8DXの開発では間口の広さはどう意識しましたか。
「誰もが楽しい経験が残るようにしたい。負けると悔しいかもしれないが、何か笑ってしまったり、『次は勝てるのでは』と思ったり。勝ち負けとは別の感情が残ると良いなと思う。ゴール直前でバナナで滑ってしまうなど、『まさかこんなことが』みたいなことが次々と起こるように設計している」
「場外に出たり壁にぶつかったりするのを防ぐ『ハンドルアシスト』機能を付けた。これまで体験会などでは、初見でうまく走れない子どもを多く見てきた。アシストをオンにすれば5歳の方でもゴールにたどり着けるので、より間口を広げられたのではないか」
――18日には過去作品のコースを追加できるダウンロード配信も始めました。
「『リマスター』と聞くと安直と思われるかもしれないが、当時とは違う新しいユニークな体験ができると確信している。そのままだと物足りないので、色々と手を加えている。例えば(2001年発売の)ゲームボーイアドバンス時代の『スカイガーデン』は元は平面だったが8DX版では起伏を付けた」
「人によってコースには思い出があるので変えすぎには注意している。IP(知的財産)はキャラクターについて語られることが多いが、コースも立派なIP。各ユーザーの思い出を大事にしつつ、IPとしてのコースの魅力を磨いていきたい」
今後は“誰でも楽しめるゲーム”を目標に
――今後、マリカシリーズをどう発展させていきますか。
「(任天堂の岩田聡元社長が提唱した)『5歳から95歳まで』という言葉がある。誰でも楽しめるという点で究極的な目標だ。人を誘いやすいシステムやハンドルアシストなどの改良を積み重ねて目標に一歩ずつ近づいていきたい。先代の開発者からはよく『マリカは対戦コミュニケーションツール』と言われてきた。その言葉に込められた意味をずっと大切にしていきたい」
本作の有料追加コンテンツ『マリオカート8 デラックス コース追加パス』は、現在ニンテンドーeショップにて配信中。
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