「星のカービィ」にはゼルダのような時系列は存在せず

シリーズ歴代最高となる初週売り上げ38万本を記録したNintendo Switchソフト『星のカービィ ディスカバリー』の開発を手掛けたハル研究所の米ワシントンポストによるインタビューが公開された。
インタビューはメール形式で行われ、星のカービィのこれまでと最新作『ディスカバリー』に関する質問に答えた。
その中で、「星のカービィ」シリーズのストーリー設定についてハル研究所・熊崎氏が次のようなコメントをしている。(原文を翻訳し、一部表現を修正しています)
可愛らしさの背後に“ダーク”あり

ーー「星のカービィ」シリーズはどれも物語が深く、ファンタジーの要素も多く見られます。ダークな要素にあるインスピレーションをお聞かせください。
ハル研・熊崎氏
カービィのイメージは「可愛らしさ」が大きいと思います。しかし、私たちとしては、プレイヤーが期待以上のはるかに深い要素が存在していることをこれまでに示してきました。
1993年に発売された『星のカービィ 夢の泉の物語』では、デデデ大王がラスボスだと思われていましたが、悪夢の力でドリームランドを乗っ取ろうとしている“ナイトメア”というさらに恐ろしい黒幕がいたことが明らかになりました。
それ以降では、表面的なストーリーに加えて、隠された真実が後に明らかになるという、この種の構造が常に存在してきました。
「星のカービィ」は、見た目も可愛らしく、ゲーム性もさることながら、クライマックスに達した子どもたちを驚かすことを目標にストーリーを描き、より高い難易度を求めるプレイヤーたちには期待を超えた刺激的なチャレンジを提供しています。
同じゲーム内でも、キャラクターやステージ、楽曲などは、ゲームを進めていくうちにだんだんと暗くなりクライマックスに近づいていきます。
しかし、どんなに暗い話であっても、カービィは常に物語の中心にいて、いつまでも食べることが大好きな可愛くてポテンシャルのあるヒーローであり続けます。
現在の「星のカービィ」では、カービィを制限するようなストーリー設定の確立を避けながら、新たな驚きを提供することに焦点を当てています。
シリーズ全体に明確な時系列は存在せず

ーー任天堂の「ゼルダの伝説」シリーズのように、カービィもこれまでのシリーズを1つにまとめる時系列はあるのでしょうか。
ハル研・熊崎氏
「星のカービィ」の全体的なストーリーについては、明確な時系列はありません。これは、過去の設定に囚われることを回避し、新たな課題に対して簡単に取り組むことができるようにするためです。
また、長い歴史のあるシリーズであっても、各タイトルでプレイヤーにとって最適なゲーム体験を優先しています。
しかし、ゲーム内の最初のオープニングでカービィがデデデ大王に会ってしまうと、ストーリーを進めづらくなるので、シリーズを通して自然に受け入れられ、プレイヤーに理解しやすいストーリーの要素を継承しています。
例えば、本編に登場する「マホロア」が過去の行動を反省してドリームランドに引っ越した時や、メタナイトがカービィに復讐する場面など、ゲームをより良くするために場面ごとで効果的なストーリーの要素を使います。
私もカービィのストーリーを書く際には細かな所まで気を配っています。これは、今後の本編でこれまでのストーリー要素を継承する場合には、まず最初に詳しい設定を準備する必要があるためです。
しかし、「星のカービィ」シリーズはアクションとゲーム性がメインなので、それぞれのゲームで魅力的になるような設定を用意しています。
Nintendo Switchソフト『星のカービィ ディスカバリー』は、現在好評発売中だ。
https://www.washingtonpost.com/video-games/2022/03/25/kirby-forgotten-land-features/
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