『ゼルダ ティアキン』さまざまな特許が公開され、ユーザーから“業界全体を後退させる行為”との指摘 実は間違い
5月12日に発売されたシリーズ最新作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』。本作には、リンクの新たな能力として使える4つの能力(モドレコ、スクラビルド、ウルトラハンド、トーレルーフ)が存在しているが、任天堂はそのいずれも特許を出願し、登録している。
任天堂は最近、本作に関するさまざまな特許を公開し、その中で既存のゲームシステムと似たような特許を出願し、登録したことで、一部のユーザーからは“今後のゲーム業界を後退させる行為”だとして任天堂を批判している。
一例として、本作の「ウルトラハンド」を例に挙げると、2006年に発売されたサンドボックスゲーム「Garry’s MOD」(以下、GMODと呼ぶ)との共通点がいくつか挙げられている。
GMODは、サンドボックスゲームで、プライヤーは自由に物を組み合わせて自分だけの世界を創り上げることができる。ゲーム内では、オブジェクトを保持し、他のものに接着することができる(左図)が、この仕組みと同じようなシステムが、ティアキンでは「ウルトラハンド」として採用されている。(右図)
そして、今回任天堂が出願・登録した特許の一部。(左図)2022年時点で180ものケースが特許申請され、その大部分が本作に係るもの。既存のゲームシステムに似た特許を任天堂が出願・登録したことにより、ユーザーからは“ゲーム業界全体を後退させる行為”だとして批判されているようだ。
しかし、このような主張は任天堂側の考え方を反映していない内容であり、任天堂は特許については、ゲーム業界の発展のために他のゲーム会社が特許を使用することを事実上黙認している。
任天堂は古くから、ゲームに関するさまざまな特許を出願し、登録してきた。ゲーム内でプレイヤーが“ジャンプをするという行為”に関しても任天堂は特許を登録しており、もし、任天堂が保持しているすべての特許の使用料を徴収すれば、任天堂の収益は現在の何倍にも膨れ上がるとされているほどだ。
任天堂が保持している特許を巡って他のゲーム会社に訴訟を提起した例は少なからずあるが、そのほとんどはゲーム業界に後退をもたらす可能性にあるケースの場合。先述したユーザーの主張(既存のゲームシステムの特許を出願・登録することは、ゲーム業界を後退させる行為に当たるとの批判)は、全くもって任天堂側の考え方とは真反対に当たるものだ。
もちろん、任天堂が特許を登録したことから、他のゲーム会社へ使用料を徴収する可能性というのは今回の任天堂側の考え方を知っていない人にとっては、考え得る話であり、そのような批判が出てきても仕方がない。だが、“任天堂が既存のゲームシステムに似た特許を出願した”というニュースをそのまま解釈して、任天堂側の考え方を理解せずに批判する行為は、控えたいものだ。
ディスカッション
コメント一覧
特許ゴロ任天堂
ついこの前特許権侵害訴訟を起こして特許料を徴収したばかりなのに、任天堂は特許料をとらないってのはいったい何を根拠に?ゲーム会社は特許料を取るなと言うなら、何によりその正義感を任天堂に向けるべきでは無いでしょうか。訴訟を起こす会社の特許なんて怖くておいそれと踏めないですね。極力任天堂の特許とは被らないゲームを作る必要があるかと思います。
コロプラが特許権侵害訴訟を起こしたことは一度もないし、特許の利用もクロスライセンス目的とされているのに、任天堂が特許権を行使して100億円近い特許料を要求していた事実をどう折り合いつけてんのか気になる。コロプラを引き合いに出して任天堂擁護してたみたいだけど
>>任天堂が保持している特許を巡って他のゲーム会社に訴訟を提起した例は少なからずあるがそのほとんどはゲーム業界に後退をもたらす可能性にあるケースの場合
特許権侵害訴訟を起こした理由を”他社の発明”とするのはさすがに無理がありませんか。特許権侵害訴訟を起こすのは、自社の特許を回避せずに、その技術をゲームに利用してリリースされたから以外にないと思います。
>>他のゲーム会社へ特許の使用料を徴収しようと計画していたことが発覚して始まった訴訟だ。
修正されたようですが、コレも少し危ない表現ではないでしょうか?
かつてコロプラの弁理士が特許について「宝の山だ」とインタビュー記事にて発言をしていましたが
「コレから他社に特許料を徴収する計画だ」といった公表は一切ありませんでした。
「宝の山」という表現が曖昧故「発覚」と言うには裏付けが不足しているのでは?
また、同社の訴訟前の特許の活用法としまして、自由なゲーム開発の為に他社と積極的にクロスライセンスを結び技術共有を行っていたようなので
上記の情報から特許取得の目的は「他社から訴訟を受けた際の防衛」「自由なゲーム開発」と考えるのが妥当かと
横からですが失礼いたします。当該記事“「特許」と「オープンイノベーション」のオイシイ関係!? コロプラ弁理士が解説”(17年5月12日掲載)における対談の中で”宝の山”と発言しているのはコロプラの弁理士ではなく、対談に臨んだインタビュアーです。
記事の内容に関して要約しますと、「他社の特許を回避しつつ、価値ある事業を続けていくには自分たちも特許を取得する必要に迫られている。具体的にどう特許を取得していけばよいのか?」というのが対談内容の趣旨になります。
特許を取得していないと他社の攻撃から企業を守る手段が無くなってしまいますし、価値ある事業を継続するには特許を取得し、知的財産を保護する必要があるように思います。特許を多く取得していれば、クロスライセンスを通じて他社との交渉をより有意に進めることが出来きるのではないでしょうか。
>>コロプラ側が〜他のゲーム会社へ特許の使用料を徴収していたことが発覚
この一文大丈夫ですかね?上記はTwitter等SNSで既成事実扱いされておりますが、
実際には、パテントトロールを行っていた(行おうとしていた)事実は無く、証明する証拠やソースも存在しないので
企業がその気になれば信用毀損、名誉毀損、偽計業務妨害で訴える事も可能なのでは?